2021年6月下旬、グリーンボールや巨大白菜でお馴染みの増渕奈津子さんにお話をうかがいました。農家になる前は自動車修理業を経営していたご主人の茂さんは40歳の時、実家の稼業を継ぐことを決心したといいます。そして同時に農家の嫁として、新たな人生を歩むことを決意した奈津子さん。今年で12年目になる農業生活を振り返っていただきました。インタビュー前には今年はじめたという、ねぎ畑を案内していただきました。
※取材当日、茂さんは仕事のため不在
以下、増渕奈津子さん：奈 ※ご主人茂さん＝お父さん
「40歳からの農家デビュー！どのような経緯があったのでしょうか。」
奈「独身時代は車のバネを作る工場で働いていました。その頃、お父さんに出会いました。出会った頃はまさか自分が農業に携わることになるとは思っていませんでした。というのも、お父さんは代々続く米農家でしたが、次男だったので18歳から家を出て自衛官として働いていました。それから、車好きが転じて自動車修理工に勤務し、結婚後、独立して事業をスタートしました。結婚後も週末や収穫時期に農業を手伝っていましたが、12年前、義父が病気になったのをきっかけに本格的に農業を継ぐことを決めました。」
「不安はありませんでしたか？」
奈「お父さんは器用だし、子どもの頃から農業を手伝っていることを知っていたので不安はありませんでした。私自身は体を動かすことや食べることが好きだったので、さほど抵抗もありませんでしたね。」
「農業一筋になりどのような変化がありましたか？」
奈「はじめの2～3年は楽しくもあり、同時に病みそうなくらい嫌になることもありました。2ヶ月近く一度も休みのないときもありました。雨が一度も降らなかったためです。雨をこんなに待ち遠しいと思ったことはありませんでした。最近はまた楽しさが増してきて、食に対してさまざまなことを考えるようになりました。食育には特に興味があります。」
「辛い時期はどのように乗り越えたのでしょうか。また、食育についてもう少し詳しくお聞かせください。」
奈「もともと性格が一旦は深く考え込んでしまうのですが、すぐに這い上がってくるタイプなんです。それに義理の家族たちがみんな尊敬できる人たち！っていうのもありますね。まるで鉄人です（笑）食育についてですが、JAの女性部に加入したことをきっかけに、食の大切さを学びました。“無添加・無農薬・有機肥料”こういったものがいかに大切なことか知りました。現代は昔よりも多く”ガン・アレルギー・発達障害・鬱”などの言葉を耳にします。なかでも添加物の体内蓄積による影響は大きいものだと聞いたことがあります。スーパーなどで売られている製品の約8割が添加物使用と言われているんですよ。食生活を改善することはなかなか困難ですが、減らすことはできると思っています。」
今年初めて育てているねぎ畑
「作物を育てるうえで大切にしていることはなんでしょうか。」
奈「亡くなった義父がよく『仕事は後手後手に回るな！先手先手でな！』と言っていたことを時々思いだします。播種や収穫のタイミングはそれぞれの作物によって違いがあるので適期にするようにこころがけています。」
「加波山市場へメッセージなどあればお願いします！」
奈「お客さんや地域のみなさんが気軽に立ち寄れるようなお店作りを私たち生産者と一緒に頑張っていきましょう！！」
健康な精神は健康な身体から！
奈津子さんは息子さん1人と娘さん2人のお母さん、いつも前向きでどんなことにも積極的な印象がありました。現在も現役でスタミナに溢れるお姑さんは1日も休まず畑に出るそうです。パワフルさや底抜けに明るく何事にも寛容で朗らかな姿勢は見習いたいことばかりです。農家に嫁いだからこそ、本当の意味で安心・安全を意識した食というものを深く知り、今日の姿があるのかもしれませんね。前向きであり続けるための手掛かりはとてもシンプルでした。米と野菜作りに真剣に向き合い、家族を想う気持ちが導いた答えは『食を見直せば健康な身体と精神が育つ！』ということでした。
余談ですが、増渕奈津子さんの巨大白菜は12月16日に加波山市場の最高記録5.8㎏を更新しました！持ち上げた時の重みに思わず笑みがこぼれます。11月中旬～12月に加波山市場に並ぶ大量の白菜の中でも一際目立つ白菜をぜひ店頭にてお確かめくださいね。
番外編！増渕家のもち麦おにぎりレシピ！
もち麦のプチプチ感がたまりませんよ。食物繊維たっぷり！おにぎり4個分の目安です。
とっても簡単なのでぜひ試してみてくださいね！
① 2合のお米を研いで水を入れる。
② 研いだお米にもち麦50gと水100CCを加えて炊飯器にセット！
③ 炊きあがったらお好みで浅漬けの素（or塩）と塩昆布を入れてにぎったら完成♩
【加波山市場に並ぶ穀類と野菜を一部紹介】
グリーンボール（4〜5月）／白菜（4〜5月＆11〜12月）／キャベツ（10月～2月）／長葱（12月～2月）／さつまいも（9月〜1月）
穀類（お米／陸稲／もち麦・大豆／そば粉etc）はほとんど通年
※出荷時期はあくまでも目安なのでずれることがありますがご了承ください。
麦畑をトラクターで耕す息子さん